シリーズ「お金のかからない基礎研究発表」 はじめに

さて、記事を書くといってそのまま4か月ちかく放置していたので、ぼちぼち自分用の忘備録を書いていこうと思う。

シリーズ「お金のかからない基礎研究発表」

職場では、自分ではなかなか購入できない高機能の解析ソフトや論文執筆用の画像編集ソフトが共用のパソコンにインストールしてあったり、場合によっては機関契約されていて自分の仕事用のPCにインストールできることもあると思われる。しかし「高価な」「高機能ソフト」に慣れてしまうと、いざラボを移ったりテレワークをしようとした時に、自分の手元に解析環境を再現できず、にっちもさっちもいかなくなってしまう。

そこで本シリーズでは、導入に多少労力は掛かっても、なるべくフリーソフトを使って基礎研究の解析から論文・学会発表をおこなうためのテクニックを書いていこうと思う。多額の研究費を使える大御所ラボのメンバーには無縁の内容であるが、零細スカベンジャーの忘備録として、お茶請けにでもなれば幸いである。

なお、主に扱う内容は基礎医学の中でも、分子生物学、細胞生物学、構造生物化学、また臨床医学としては病態医化学、感染症内科学、ウイルス学、膠原病/アレルギー内科学の範疇を想定するが、一般的なウェットラボで扱う内容は重なる点も多いと思われるので、必ずしもその範疇に限らない。また自身がWindowsユーザーであるので、紹介するソフトウェアはマルチプラットフォーム対応でない限り、ほとんどがWindows版になる点だけご了承いただきたい。